有機ワインの後継者〜Gwenaele Boucher
過去一度も化学肥料を使用せず、100%有機栽培を貫いてきた父のワイナリーを後継した、若干30歳の女性オーナー。すらりと背が高く、スレンダーな体型に化粧っ気のない笑顔が印象的だ。
グウェナエルさんはワイナリーのオーナーであると共に地質学の学位を持つ地質研究のプロである。ボルドーのFaculte d’oenologie de Bordeauxでワイン生産学及びワイナリー経営学を学び、2003年コルシカに戻り父の所有するブドウ畑で100%自家生産のワイン醸造システムを完成した。
最近ドイツ人のITエンジニアの旦那様と結婚したばかりの新婚さんで、旦那様とやんちゃな愛犬と海べりの小さな家に住んでいる。旦那様はワインの温度管理システムを彼女のために作ったり、自宅で仕事をしながら彼女の仕事を全力でバックアップしている。
ブドウ畑、海辺のおうち、旦那様と愛犬。まるでおとぎ話のような生活にも見えるが、ワイナリーというのは農家である。毎日の天候や害虫に脅かされ、毎年のワインの出来で一家の生活が左右されるというものすごいプレッシャーを抱えた人生。もし自分がそのプレッシャーの下に置かれたら?と想像するとちょっと怖くなる。 従業員は3人と少なく、小さいといえど20hrのブドウ畑の管理には非常に過酷な肉体的労働を強いられることは想像にたやすい。母であるモニカさんもワインテイスティングのアドバイザー及び販売等の業務を行っているが、ブドウの栽培、収穫、ワインの醸造からデリバリーまで、すべての実質的業務はグウェナエルさんが行っているというので驚き。 人手を増やすのも可能だけど、ブドウの健康状態からワイン生産にまつわるすべてのプロセスに細心の神経を配るためには、ぜーんぶ自分の目でしっかり確認して作業しないと不安なの、と控えめに語るグウェナエルさん。彼女のブドウはコルシカの強い日差しと彼女の愛をいっぱい受けて育つ健康優良児だ。
結婚するまでずっと子供の頃と同じお皿でご飯を食べてきたから、結婚して初めて新しいお皿が買えたことがすごく嬉しいの、と恥ずかしそうに笑うグウェナエルさん。彼女の少女のような笑顔を見ていたら、彼女の作るワインの優しい味が納得できた気がした。
作り手の魂は味に現れ飲み手に伝わる。よく聞く話だけど、実感したのは初めてだ。
呼称:AOC Vin de Corse Porto-Vecchio
(Vin issu de rasins de l’agriculture biologique) ■赤 / Granajolo, Cuvée Monika ブドウ品種 ・Niellucciu(コルシカ独自品種) ・Shiraz(Sangioveseの仲間) ・Grenache 特長 真紅の実、交錯した芳香、強く芯のある味、スパイス、マキ(コルシカの野生の藪)の花のアロマ、が作り上げるエレガントで官能的な味。深くパンチがありビロードのように滑らかでやわらかくタンニンの渋みがある。繊細な味と香りが体に自然に染み渡る、bioワインならではの優雅で優しいワイン。
■ロゼ / Granajolo, Cuvée Monika, Niellucciu
ブドウ品種 ・Grenache ・Shiraz ・Barbarossa(コルシカ種) 特長 深いピンク色のボディ。控えめだが輪郭のはっきりとした果汁のアロマとほのかに香るスパイス。フレッシュで躍動感のある口当たりと、切れのあるフィニッシュ。果実のたくましさがそのまま味に現れている、非常にバランスの取れたロゼ。 ■白 / Granajolo ブドウ品種 ・Vermentinu(Malvoisie) 特長 Vermentinuは古くからコルシカにて栽培されている、伝統的な白ワイン用のブドウです。ボディはわずかに緑がかった黄金色。存在感のある熟成香は、シトラスフルーツ、ミント、サンザシ、アカシア、ローレル、エニシダ、パイナップルを思わせる甘くさわやかな香り。アーモンドとアップルを思わせる後味が長く続く、繊細で持続力のある白。 |
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